こんにちは!今日も飛ばしてる?
という挨拶は無線機屋として良いかな、と思ったのですが、そうでもなさそうなので金輪際やめるのであります。
さて、気を取り直しますが、無線機・トランシーバーには多くのメーカーがあります。また、業務用、消防、警察、船舶、アマチュアなど種類も多く、海外も含めると多分山のようにあります。
しかし、無線にはいろいろ規定があり、輸入品とかは勝手に使えません。総務省の関東総合通信局のホームページには、以下のようなお達しも記載されています。
外国製無線機の使用について
最近、一部の店舗、通信販売業者、インターネット等において、外国から輸入された無線機が販売されております。また、外国で購入した無線機を国内に持込むケースも多くなっています。
その中には、日本の電波法令で定める技術基準に合致せず、使用すると電波法違反に該当する無線機があります。
これらの多くは、米国の基準であるFCC規格等に合致していますが、日本の電波法令に合致していないため、国内では周波数の割当てができません。
外国規格の無線機は国内では使用できない場合があります。使用すると他の無線局等に妨害を与えるおそれがありますので、注意して下さい。
とまあ、こういうことですので、国内で業務用やレジャー用としてちゃんとした製品を使おうと思うと、おのずといくつかのメーカーに絞られてくるわけです。
今回はその中でもレンタルや購入の機会が多い業務用無線機業界で、特に人気が高く有名なメーカーについて特徴を『それとなく三国志風に』まとめたいと思います。
この記事の目次
3大無線メーカー
国内向け業務用無線機には、特に有名なメーカーがいくつかあります。
まずは
・アイコム(世界シェア3位)
・八重洲無線(STANDARDブランドの機械です)
・KENWOOD(世界シェア2位、音響の方が有名で昔のビクターとも合併してます)
であります。
無線機をレンタルすると、だいたいこの3社のどこかの商品が届きます。
また、ネット通販の売れ筋機種も、ほぼ上記メーカーの製品です。
なので、上記3社を国内業務用無線機の『3大無線メーカー』と呼ぶことにします。
さらに続くのが、
・モトローラ(世界ではトップシェアで、販売は現在八重洲無線が行っています)
・アルインコ(健康器具とかも有名ですね)
です。
言うなればここまでが『5大無線メーカー』で、国内の業務用無線機は、ここまででほとんど網羅されてしまうと思います。
ちょっと、近くにいる警備員さんやショップスタッフさんで、腰のあたりにトランシーバーやインカムっぽいのを下げてたらガン見してみて下さい。勇気があれば聞いてみて下さい。
まず、上記のメーカー製です。他のメーカーのはまずお目にかかりません。
ということで、上記のメーカーについて、簡単に独断と偏見でもって紹介させていただきます!
【アイコム】
日本が誇る無線専門メーカーです。
アマチュア無線機からスタート、業務用無線業界に参入し、とうとう業務用無線機シェア世界3位になりました。最近はさらに派生してネットワーク機器なども製造しています。
IP無線機『IP-500H』や無線LANトランシーバー『IP-100H』などの機種も、評判の良さを耳にします。
「ピュアな無線機メーカー」という印象で、昔からずっと無線をやってきているので、ユーザーから見て操作性が良く使い易い製品が多いです。
また、コストパフォーマンスも高くデザインも独特で、アンテナ内蔵したデジ簡『IC-DPR30』なんか面白い製品です。
また、ネット通販では一番人気があるのもアイコムの特小『IC-4300』あたりです。
んで、めちゃくちゃ私見ですが、、、
三国志で例えるなら「呉」かな。
中国の東南部で安定した、なんだか穏やかな印象のある「呉」。
あんまり派手なことはせず、水軍の強さから北の騎馬隊のなんだか無骨な印象と対比して洗練された小洒落たイメージの「呉」。
孫堅や孫策ではなく、孫権の「呉」ですね。
他のメーカーが多角事業展開したり、はたまた経営統合とかあったりしてなんだか騒がしいのと比べると、アイコムはまあなんというか、とっても大人しい、でもしっかり者のイメージなのであります。
【KENWOOD】
誰でも聞いたことある「KENWOOD」。さらに誰でも聞いたことある「ビクター」。合併して今は「JVCケンウッド」になっています。
やはり音響メーカーらしく、通話音質について評価が高いです。実際使い比べてみると、一番クリアに聞こえます。
アイコムの音質は、まあ良い意味で“普通”。STANDARD(八重洲無線)の音質は、なんだか無骨な、ちょっとこもった感じに聞こえます。
あと、個人的にデザインが格好良いと思います。音響メーカーであるが故のイメージの刷り込みかもしれませんが、30年くらい昔のシステムコンポとか流行った時代から、KENWOOD製品は格好良かった記憶があるんですよねぇ。
ほんと、ROXY CD7なんてめっちゃ格好良くて、富田靖子とかチェッカーズがCMしてて、欲しかったなぁ、、、
ステッカーとかみんなカバンとか自転車とかに貼ったりして、、、
という、ものすごく世代的思い入れの強いメーカーなのであります(泣笑)
ですから当然
三国志で例えるなら「蜀」です。
ROXYとかもう勝手に趙雲っぽいです!カッコイイ!
すいません、無線でした。
頭を冷やしてさらにご紹介すれば、特小の『DEMITOSS mini UBZ-M51』とか形は格好いいし(私見)、最新機種のデジ簡『TPZ-D553』なんかは本当に軽くて小さくて、人気商品がたくさんありますよ!
特に1Wデジ簡を出さずに5Wを小型化したあたりの姿勢が、王道を行く感じで個人的に「漢の正当な末裔」劉備感があるように思います。
【八重洲無線(STANDARD)】
さあ、八重洲無線です。
合併や買収が多く、スタンダード工業で、日本マランツで、スタンダードホライズンで、バーテックスタンダードで、モトローラもくっついたり離れたりして、まあ騒がしくわかりにくい会社です。
そもそもはアマチュア無線で古くから上記2社とやりあってた、とても歴史のあるメーカーなのですけどね。
現在では「モトローラ」ブランドも販売してますが、ここでは「STANDARD(およびHORIZON)」ブランドを紹介します。
機械としては値段のわりに高スペックで頑丈な製品を作っている印象が強いです。例えば定価¥15,800価格帯の特定小電力トランシーバーについては『SR40』がIP57*、『SR70A』にいたってはIP67*で、どちらも防水性能はIPX7の水没OKスペックです。
*防水性:IPX7(防浸形)・・・真水/静水に水深1mの位置で30分間没しても機器の動作に影響をおよぼさない事。
その他、唯一マイクロUSBで充電できるデジ簡『STANDARD VXD1』を作ったり、メイン商品はメーカー3年保証という破格の対応だったり、オプション品では、全く同じ商品が「STANDARD」と「STANDARD HORIZON」の両方のブランド名で別々に発売されてて価格が違う(笑)など、なかなかにエキセントリックなメーカーです。
ですので、やはり
三国志で例えるなら「魏」です。
なんか北のほうのいろんな部族を併合して、人種もなんだかわけわかんなくて、常識外の曹操が派手に騒ぎまくる「魏」のイメージですね。
「STANDARD」と「STANDARD HORIZON」なんか夏侯淵と夏侯惇みたいですし、後述しますが、最強の武将「呂布モトローラ」も併合するあたり完全に曹操です。
なお、誤解を招くといけませんが、メーカーとしてはとても人情味のある、真面目で誠実なメーカーさんです!
【モトローラ】
で、モトローラです。
さっき言いましたけど「呂布」です。
世界シェアNo. 1です。そもそも軍事用です。武力最強です。
実際、モトローラの品質基準は独自のもので、他のメーカーに比べてやたらに厳しいのです。
国内の基準で法的にOKになっても、モトローラの基準でOKにならないので、新商品が出ても社内審査に通らずになかなか発売されないとかよくある話です。
それくらい、優秀な品質の機械であります。
また、技術力にも優れ、驚くような製品を出してきます。例えば特小の『CL1K』が出た時にはその小ささに驚きました。(ただし、アンテナ内蔵なうえに小さすぎて、あまり飛ばないのはご愛嬌)
なお、八重洲無線の『STANDARD VXD20』などのVXDシリーズとモトローラの『GDR4800』などのシリーズが、バッテリーや充電器などのオプションが一部共通だったりします。※詳しくはメーカーや販売店にお確かめ下さい
現在モトローラ製品は八重洲無線が販売しているので、「STANDARD(HORIZON)」ブランドと営業的にどっちつかずのタコ足食いにならなきゃいいのですが。
しかしながら、昔からのファンも多く世界的には一番有名なメーカーです。
いろいろ面白い製品や最新技術の製品も発表してくるので、常にチェックしておいて損はないと思います。
【アルインコ】
最後にアルインコであります!
ひたすらに我が道を行くアルインコであります!
他のメーカーが、アマチュア無線だったり音響系の流れを組んでいたりするのに対し、アルインコは独特です。なんたって前身は「井上鉄工所」であります!
まず、無線機以外の事業が「建設機材」とか「仮設足場」とか「DIY」とか「フィットネス」とか、もう独特すぎます。ホームページを調べると、足場とダイエット器具と無線機が並んでいるような、完全なカオスであります(笑)。
そして、その無線機も独特で、見学会などで使う特定小電力トランシーバーのガイドシステムだったり、独自の通信方式を取り入れたデジ簡など、ちょっと風変わりな雰囲気です。
もう、おわかりですね。
ハイ、南蛮の「孟獲大王」であります。
製品もクセが強く(という先入観かもしれませんが)、言うなれば朶思大王や兀突骨のような風変わりな武将揃いの南蛮軍のようなのであります。
それだけ独特なのですが、製品の評判は高く、時に特小では『DJ-PB20』などのアルインコ製品を使われているところは多いです。
中継システムも優れていて、イメージよりも全然使い勝手がいいのであります。
ということで、少しでも製品選びのお役に立てれば幸いです。
ちなみに私は呂布推しであります。